バツイチナンパ師の結婚体験談 その2

彼女は実は大金持ちの令嬢だった

だがスグに、彼女の家が並の金持ちではなく、もっとスケールが桁違いな名家であるという事が判明した。

まず、土地の広さが普通ではない。

使用人が中から出て来て、僕を案内しながらこの家の歴史や詳細についての説明を始めるのだが、とにかく目に映る風景は全てこの家のものであり、もっと言えば、数十キロ離れた鉄道の駅からこの家まで自分の敷地だけを通って来る事が出来るというのだから驚きだ。

また、その家の名前がそこの地名になる程だから、彼女の家が如何にその地方一帯で力を持っているかが伺えよう。

色々説明され過ぎてあまり良く覚えていないのだが、この家族は何百年も続く神社の家系であり、この辺一帯の土地を人に貸したりもしているのだが、戦後のGHQには何故か殆ど没収されずに上手くやったとか、とにかくよく分からない話をされているうちに彼女の両親の待つ部屋へ辿り着いた。

もう逃げられない!!結婚の罠に嵌められた僕

対面してビックリなのは、何と彼女の父親は病床に伏せており、もう先は長くはないとの事。

おまけに今はまだ神社の跡継ぎとなる者もおらず、それはともかく、死ぬ前までに何とか愛娘の花嫁姿だけは一目見たいとの話を、今この場で初めて聞かされることになった僕のショックはと言えば正に、「嵌められた!!」という表現しか出てこない。

何とかその場から上手く逃れようにも、僕の両手をしっかりと掴んで結婚を承諾するまで決して離そうとはしない彼女の父親の執念の形相たるやすさまじく、まるでホラー映画にでも出てきそうな悪鬼の如きである。

その後はもう、とんとん拍子に式が行われ、父親は満願成就して思い残す事もなく安らかに旅立っていった。

いつも腹ペコだが、自由な野良犬へ

とにかく僕が結婚したいきさつはこんな感じである。

知らない間に周りが水面下で周到な準備を進めていたのだから、こればかりはもうどうにも出来ない。

だが成り行きとはいえ一度は結婚した身であったが、田舎の退屈な生活と名家の窮屈なしきたりに不自由を感じて遂に我慢の限界に達した僕は、1年経たずして離婚に踏み切ったという訳だ。

大人しくしていれば、一生金には不自由しない程の莫大な遺産を相続出来たのだが、僕は貧乏だが自由な元の生活を選ぶのに迷いはなかったし、それに関しては今でも全く後悔はしていない。

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